排泄のストレスを排泄する
-長い開発を経て完成した今の想いはいかがですか?
わたしが以前働いていた施設でケアスタッフさんから「オムツを開けずに中を見たい」と言われたのが開発を始めるきっかけだったのですが、それから数えるともう9年ぐらい経っていますね(笑)。
発売もひとつの通過点というか、やっと使ってもらえるスタート地点に立てたなというのが率直な感想です。
長い開発期間の中で、すごくたくさんの人に勇気を与えていただきました。
最初は私一人でやりたいと言って始めたわけなのですが、今このプロジェクトに関わっている人は数十人いて、応援していただいている人も含めれば数百人になります。
私一人がやりたいと言っていたものが、今みんなの望んでいるものになっているということが一番嬉しいです。
長年開発をともにしているエンジニアチームも介護現場への想いは強い
日々の生活に負担をかけない設計
ー開発において、特に気をつけたことはどんなところでしょうか?
わたしが介護施設で働いていた経験も活かして、まずはケアスタッフさんのオペレーションを乱さないということを考えました。
Helppadをシート型にしたのは、体に装着しないためという理由も大きいですが、普段防水シーツやシーツを敷くというのはケアスタッフさんが日々のお仕事でよくやることなんですね。
そのベットメイキングの作業の流れにひとつ加えていただくだけで、排泄を検出できるようにしたいと考えました。
あと当たり前のことですけど、やっぱりケアスタッフさんの一番の望みは入居者さんの幸せだと思うんです。
なので、入居者の方が負担のない生活を送ることにこだわって、なるべく存在感のないプロダクトとして設計していきました。
使うほどに精度が上がる、育てていく製品です
ー介護現場ではどのように役立つと思いますか?
おむつを交換するタイミングというのはできるだけ一人ひとりにあわせたいですが、なかなか業務の都合上できなくて、定時でオムツを変えたり、交換が遅れてしまったりすると思います。
Helppadをお使いいただければ、少しずつ入居者さんのタイミングにあわせてオムツを交換することが可能になっていきます。
排泄があれば通知がきますし、使い続けていただければデータを蓄積して正確な排泄パターン表を自動で作成していきます。
その中でいつごろ排泄があるかがだんだん予測できるようになっていきます。
Helppadは使いながら育てていく製品だと捉えていただければと思います。
介護現場のみなさんにたくさん使っていただくことで、より新たな開発もできますし、その開発によって介護現場がより働きやすい環境になっていくと信じています。
IoTで介護業界を変革するHelppad