排泄介護のイメージを変えるようなプロダクトにしていきたい
ー開発の中で一番難しかった部分はどんなところでしょうか?
Helppadに限った話ではないのですが、僕の担当としては大きく二つの点をちゃんとクリアすることが求められます。
まず一つは、量産し続けられる体制をしっかり作っていくことです。
試作の場合は一回限りで組み立ててちゃんと機能するかを確認しますが、量産のフェーズではこの先何年もこの製品を販売していくために部品を供給し続けて、かつ安定的に組み立てを行える協力先を探して製造チームを構成するということが必要になります。
二つ目は、製品の安全性を担保することです。
試作フェーズでは手で組み立てることが多いのですが、量産の場合は工場のラインで製造します。
たくさんの製品を一気に製造する中で、使っている方が怪我をするような事故が起こらないように設計を固めていくことが最も大切であり、神経を使う部分です。
最初にHelppadの試作機を見て、その課題を聞いた時は、これらを解決して量産に持っていくには、正直どうしたらいいんだろうと思いました(笑)。
かなり難しい課題が残っていたのですが、aba社やパラマウントベッドのいろんなスタッフと協力して、会社をあげてこの製品を作り上げることができたと考えています。
数え切れないほどの試作を経てHelppadは完成した
現場からの忌憚なき意見が製品の精度を高める
ー今後はどのような製品を作っていきたいですか?
排泄に関する製品づくりは初めてだったのですが、私の母親が要介護の状態で、実家に帰ると介護の現場はよく目にしていて、排泄の介護もかなり苦労しているんだろうなとずっと感じていました。
排泄介護は人間が長い人生を生きていく上で、絶対に必要になることですので、介護が必要になった人の生活を助けるツールとしてとても大きな意義があると感じていました。
パラマウントベッドではベッド周りの製品をつくることが多いのですが、その環境はIOTやクラウドなどの時代の流れを汲んで大きく変わってきています。
排泄を通知するHelppadを皮切りに、利用される方のライフスタイルごと変えていくようなものを作っていきたいなと思っています。
aba社という強力なパートナーと一緒に開発を進めていくことで、排泄介護という分野をより身近で、やっていて楽しいようなものに変えていきたいですね。