開発ストーリー

パラマウントベッドとしても
新しいチャレンジでした

ーHelppadの開発においてはどのような役割を担当されたのでしょうか

普段の仕事では電動ベッドの電気で動く部分の開発や検証を担当しています。
Helppadの開発は2016年6月に量産検証のフェーズが始まるということで、弊社の山口から声をかけられ参加しました。
開発の中では、aba社をはじめ、シートを設計する部署や、デザインをする部署とうまく連携を取り、計画通りにひとつの製品としてパッケージングしていくために、開発の進行を統括するというのが主な業務でした。

数多くの開発メンバーや介護現場と連携しながら今までにない製品を完成させた
数多くの開発メンバーや介護現場と連携しながら今までにない製品を完成させた

量産体制と安全性の確保が
製品化には不可欠です

ー開発の中で一番難しかった部分はどんなところでしょうか?

Helppadに限った話ではないのですが、僕の担当としては大きく二つの点をちゃんとクリアすることが求められます。
まず一つは、量産し続けられる体制をしっかり作っていくことです。
試作の場合は一回限りで組み立ててちゃんと機能するかを確認しますが、量産のフェーズではこの先何年もこの製品を販売していくために部品を供給し続けて、かつ安定的に組み立てを行える協力先を探して製造チームを構成するということが必要になります。
二つ目は、製品の安全性を担保することです。
試作フェーズでは手で組み立てることが多いのですが、量産の場合は工場のラインで製造します。
たくさんの製品を一気に製造する中で、使っている方が怪我をするような事故が起こらないように設計を固めていくことが最も大切であり、神経を使う部分です。


最初にHelppadの試作機を見て、その課題を聞いた時は、これらを解決して量産に持っていくには、正直どうしたらいいんだろうと思いました(笑)。
かなり難しい課題が残っていたのですが、aba社やパラマウントベッドのいろんなスタッフと協力して、会社をあげてこの製品を作り上げることができたと考えています。

数え切れないほどの試作を経てHelppadは完成した
数え切れないほどの試作を経てHelppadは完成した

現場からの忌憚なき意見が
製品の精度を高める

ー使う人のことを考えると、やはり開発段階での介護現場との連携も大切ですよね?

そうですね。
abaの宇井さんがやはり介護現場の方々とすごく密に接していらっしゃったので、実験にもご協力いただけましたし、忌憚なきご意見も多くいただけたということが大きかったと思います。
弊社の中にもケアスタッフ出身の方や理学療法士の方が何名かおりまして、そういう専門職の観点での意見を仰ぎつつ、あとは実際にいくつもの現場に出向いてヒアリングしながらより使いやすい製品に落とし込んでいきました。

介護業界の人手不足にも
貢献していきたい

ーHelppadによって、介護現場がどのように変わっていくことを期待されますか?

一般的に介護ということを考えた時に、多くの人が排泄介護のことを思い浮かべるんじゃないかなと思います。
やっぱり他人の排泄を介護することを進んでやりたいという人は少ないでしょう。
介護業界の人手不足についても耳にしますが、排泄の介護の手助けになるHelppadを通して少しでも介護業界に人が増えて、ゆくゆくはこのHelppadがあるから排泄介護は全然苦にならないというようになっていけばいいなと思っています。

排泄介護を変えたいという強い想いは開発メンバーに自然と浸透していったという
排泄介護を変えたいという強い想いは開発メンバーに自然と浸透していったという

ライフスタイルごと
変えてしまうものを

今後はどのような製品を作っていきたいですか?

排泄に関する製品づくりは初めてだったのですが、私の母親が要介護の状態で、実家に帰ると介護の現場はよく目にしていて、排泄の介護もかなり苦労しているんだろうなとずっと感じていました。
排泄介護は人間が長い人生を生きていく上で、絶対に必要になることですので、介護が必要になった人の生活を助けるツールとしてとても大きな意義があると感じていました。


パラマウントベッドではベッド周りの製品をつくることが多いのですが、その環境はIOTやクラウドなどの時代の流れを汲んで大きく変わってきています。
排泄を通知するHelppadを皮切りに、利用される方のライフスタイルごと変えていくようなものを作っていきたいなと思っています。
aba社という強力なパートナーと一緒に開発を進めていくことで、排泄介護という分野をより身近で、やっていて楽しいようなものに変えていきたいですね。

Profile

伊藤将

大学院卒業後、2014年にパラマウントベッド株式会社に技術職として入社。入社後現在に至るまで、電動ベッドや周辺機器に搭載される電装システムのソフトウェア開発および評価に携わる。
主な担当製品は、病院用ベッド「メーティスPROシリーズ」、ベッド内蔵の転倒・転落対策システム「離床CATCHⅢ」、徘徊感知器「見守りSENSEα」など。
排泄センサー「Helppad」の開発では、製品に組込まれるソフトウェアの開発および評価、また施設での臨床検証を担当する。